「上履きって、本当に必要なの?」
学校では昔から当たり前のように履かれている上履き。しかし、その存在に疑問を持ったことはありませんか?「足に良くないのでは?」「毎年のように買い替えるのが面倒」「掃除の負担が増えるのでは?」そんな疑問を持つ人が増えています。
実は最近、一部の学校では 上履きを廃止する動き が始まっています。理由はさまざまですが、「衛生的に良い」「経済的負担を減らせる」「子どもの足の発育に良い」といったメリットがあるためです。しかし、その一方で 「床が汚れやすくなる」「ケガのリスクが増える」 などのデメリットも指摘されています。
本記事では、上履き廃止のメリット・デメリットを詳しく解説し、すでに上履きをなくした学校の事例や、今後の教育現場の変化についても紹介 します。
この記事を読むことで、「なぜ上履きを廃止する学校が増えているのか?」を知ることができ、今後の学校選びや教育の在り方について新たな視点を持つことができます。
1:そもそも、なぜ上履き制度があるのか?
上履き制度の歴史と日本独自の文化
日本の学校では 上履きを履く文化 が長年続いています。それには「衛生面」「安全面」「日本独自の習慣」といった理由があります。
上履き制度が始まったのは、 日本の気候や文化的な背景 によるものです。例えば、日本は四季があり、特に雨や雪の日が多いため、外履きのまま室内に入ると泥や水で床が汚れやすくなります。そのため、 室内の清潔さを保つために上履きが導入 されました。
また、日本の学校は 体育館や廊下が滑りやすい材質 でできていることが多いため、ゴム底の上履きを履くことで ケガを防ぐ 目的もありました。
さらに、日本には 「履き替え文化」 があります。例えば、家では 玄関で靴を脱ぐ 習慣があり、それが学校にも影響を与えているのです。
実際に、日本の小中学校では 1960年代から白い上履きを履くことが一般的 になりました。この理由の一つは、 汚れをチェックしやすいから です。清潔感を維持するため、また生徒の衛生管理を意識させる目的もありました。
一方で、海外の学校では 土足が一般的 です。例えば、アメリカやヨーロッパの多くの学校では、室内でもそのまま外靴で過ごします。そのため、学校では 毎日清掃スタッフが床を掃除する体制 が整っています。
上履き制度は 日本独自の文化 であり、清潔さや安全を目的として導入されました。しかし、 近年では「本当に必要なのか?」という疑問が出てきています。
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私の場合だと、DNAレベルで刷り込まれているので履き替える事にそもそも疑問を持ったことないですね・・・
2:上履き廃止のメリットとは?
上履き制度を廃止するとどのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは、足の健康、衛生面、経済的負担 の3つの視点から解説します。
足の健康への良い影響
上履きを履かないことで、子どもの足の発育に良い影響を与える可能性があります。
上履きは多くの場合 通気性が悪く、足を締め付ける ことがあります。特に成長期の子どもにとっては、足の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。 偏平足(へんぺいそく) や 外反母趾(がいはんぼし) のリスクが高まることが指摘されています。
また、日本の学校で一般的な ゴム底の上履き は 衝撃を吸収しにくく、長時間の着用が足の疲れや痛みにつながる こともあります。
例えば、フィンランド や デンマーク などの北欧諸国では、学校での履物に関して自由度が高く、子どもたちは 裸足や運動靴 で過ごすことができます。その結果、足の発育が良くなり、歩行時のバランスが向上すると言われています。
また、ある日本の小学校では、試験的に 上履きの使用をやめ、自由な履物を許可 したところ、 「足が疲れにくくなった」「走りやすくなった」 という声が生徒から多く上がったという報告もあります。
上履きをやめることで 足の発育を妨げるリスクが減り、健康的な成長を促せる 可能性があります。特に、 長時間履き続けることで足に負担がかかることを防げる ため、子どもたちの健康を考えるとメリットは大きいでしょう。
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科学的根拠で立証されているのであれば、確かにメリットが大きいように思います。
衛生面での改善
上履きは定期的に洗わないと 菌が繁殖 しやすいという問題があります。上履きを廃止することで、足の衛生状態を改善できる可能性があります。
上履きは 毎日履き続けるにもかかわらず、洗う頻度が低い ことが多いです。汗や湿気がこもりやすく、カビや雑菌の繁殖 の原因になります。
また、ゴム底の上履きは 蒸れやすく、足のニオイの原因 にもなります。これが原因で いじめの対象になることもある という声もあります。
例えば、ある学校で 上履きを毎日履いている生徒の上履きを検査 したところ、通常の靴よりも高い細菌量が検出 されたというデータがあります。一方、土足の学校では 掃除を徹底することで衛生を保つ 仕組みが作られています。
上履きをなくすことで、足の衛生状態が改善される可能性があります。「上履きが汚れる=足元の衛生環境が悪化している」という視点 を持つと、上履き廃止のメリットがより明確になります。
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なるほど、基本土足にして掃除を徹底するという考え方もあるんですね。
経済的な負担が減る
上履きを毎年買い替える必要がなくなり、保護者の経済的負担を減らせます。
一般的な 学校指定の上履きは1足1,500円〜3,000円 程度します。子どもは成長が早いため、 毎年のようにサイズアウトして買い替える必要 があります。また、予備の上履きを準備する家庭もあり、費用がかさみます。
一方で、土足OKの学校 では 外履きを一足用意するだけで済む ため、家庭の負担が軽減されます。
例えば、東京都内のある私立学校では、上履き廃止後、保護者から 「靴代が浮いて助かる」「手入れの手間がなくなった」 という声が多く寄せられました。
上履きは毎年のように買い替えるため、長期的に見ると大きな出費になる ことがあります。上履きをなくすことで、保護者の経済的負担が軽くなる のも大きなメリットです。
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高校無償化よりもこっちを優先して欲しいっていう意見もあるんじゃないかな・・・
メリットをまとめると、以下という事になります。
- 足の健康が守られる(通気性が良く、発育を妨げない)
- 衛生状態が改善される(細菌やカビの発生リスクが減る)
- 保護者の経済的負担が減る(毎年の買い替えが不要)
3:上履き廃止のデメリットとは?
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上履きを廃止することで得られるメリットがある一方で、いくつかのデメリットも指摘されています。「床が汚れる」「安全性の問題」「文化の喪失」 など、学校生活に影響を及ぼす可能性のあるデメリットを詳しく解説します。
床の汚れや掃除の負担が増える可能性
上履きを廃止すると、学校の 床が汚れやすくなり、掃除の手間が増える 可能性があります。
外履きのまま校舎内を歩くと、泥やホコリ、雨の日の水滴などが床に持ち込まれやすくなります。その結果、廊下や教室が汚れやすくなり、掃除の回数を増やさなければなりません。
また、特に雨の日や雪の日には、靴が濡れた状態で教室に入るため、床が滑りやすくなる という問題もあります。
例えば、ある公立小学校では 試験的に上履きを廃止 しましたが、結果として 「床がすぐに汚れてしまう」「掃除の回数を増やさないといけない」 という課題が発生しました。結局、学校側の負担が大きくなり、1年後に上履き制度を復活させた というケースもあります。
上履きを廃止すると、床の清掃回数が増え、学校側の負担が大きくなる 可能性があります。特に雨の日や冬場は、汚れやすさが大きな課題となるでしょう。
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道路って綺麗に見えていても吐いた唾が乾いて見えてないだけとかありますからね・・・
安全性の問題(滑りやすさなど)
外履きで校舎を歩くと 床が滑りやすくなり、転倒事故が増える可能性 があります。
日本の学校は、廊下や体育館の床がワックス仕上げになっていることが多く、滑りやすい材質 になっています。上履きは、ゴム底で 滑りにくい設計 になっていますが、外履きの場合、靴の素材によっては 滑りやすくなる可能性 があります。
また、上履きを廃止すると 外で履いている靴で体育館に入ることになるため、バスケットボールや体育の授業での安全性が低下する という問題も指摘されています。
例えば、北海道のある小学校では 上履きの使用をやめ、外履きのまま校舎内を歩けるようにしました。しかし、その後 廊下での転倒事故が増加 し、安全面を考慮して 再び上履きを導入することになった という報告があります。
上履きの廃止は、床の滑りやすさによる転倒事故を増やす可能性 があります。特に体育の授業や雨の日の安全対策が必要となるでしょう。
伝統や文化が失われる懸念
日本の 「上履きを履く文化」 が失われることで、教育的な価値や習慣が崩れる 可能性があります。
日本では 「履き替え文化」 が根付いており、学校でも家庭でも 玄関で靴を脱ぐ習慣 があります。この文化は、清潔さを保つことや礼儀作法の一部 として重要視されてきました。
上履き廃止によって、「履き替え=清潔」という意識が薄れ、日本独自の文化が失われる ことを懸念する声もあります。
例えば、日本の多くの幼稚園や小学校では、「靴を揃えて脱ぐ」「清潔な上履きを履く」といった指導が行われています。これは、整理整頓の習慣や、日本特有の礼儀作法を学ぶ機会 でもあります。上履きを廃止することで、こうした教育の場が失われる可能性があります。
上履きを廃止することで、日本の 「履き替え文化」 が衰退し、清潔意識や整理整頓の習慣が薄れる可能性があります。
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これはもう年代的に刷り込まれているものですよね
デメリットをまとめると、以下という事になります。
- 床が汚れやすくなり、掃除の負担が増える
- 床が滑りやすくなり、転倒事故のリスクが上がる
- 「履き替え文化」が失われ、教育的な価値が低下する可能性がある
4:実際に上履き廃止を導入した学校の事例
上履き廃止のメリット・デメリットを理解した上で、実際に廃止を決断した学校ではどうなったのか? という事例を見ていきましょう。ここでは、成功したケースと失敗したケース、そして保護者や生徒のリアルな声 を紹介します。
上履き廃止で成功した学校のケース
上履きを廃止したことで、足の健康や衛生環境の改善につながった学校もある。
近年、上履き廃止を試みる学校が増えています。その背景には、生徒の足の健康を考慮した取り組み や 欧米の学校を参考にした教育改革 があります。
例えば、東京都内のある私立小学校では、2021年に試験的に上履きを廃止 しました。その結果、
✅ 生徒たちの足の蒸れやニオイの問題が改善
✅ 学校の清掃回数を増やしたことで、衛生環境が向上
✅ 保護者から「上履きを買う手間が省けた」と好評
また、ある中学校では、生徒の希望で上履き廃止を決定。特にスポーツをする生徒たちからは、「運動靴で授業を受けられるので動きやすい」「足の疲れが軽減した」という声が多く上がりました。
適切な対策を講じることで、上履き廃止は 足の健康・経済的負担の軽減・清潔な環境作り につながる可能性がある。
トラブルが発生した学校のケース
一方で、上履きを廃止したことで 新たな問題が発生し、結局元に戻した学校もある。
上履きを廃止すると、床の汚れや安全面の課題 が発生することがあります。特に、掃除の負担増加や転倒事故が増えた学校では、上履き制度の再導入を決めた例もある。
大阪府のある公立中学校では、試験的に上履きを廃止 しました。しかし、
❌ 雨の日に教室の床が濡れて、滑って転倒する生徒が増加
❌ 土足のまま体育館に入ると、床が傷みやすくなった
❌ 掃除の時間を増やした結果、授業時間が圧迫される
結果的に、保護者や教員の意見を反映し、1年後に上履きを再導入 しました。
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靴もそれぞれ機能が違っていて滑りにくさよりもデザイン重視とか色々あるし、教職員からすると戦々恐々ですよね・・・
保護者・生徒・学校のそれぞれの意見は?
上履き制度の賛否は、生徒・保護者・教員によって意見が分かれるようです。
✅ 【賛成派の意見】
- 「毎年上履きを買うのが面倒だったので助かる」(保護者)
- 「外履きのままでいいので、朝の準備がスムーズになった」(生徒)
- 「体育の授業でもそのまま運動できるので、効率が良くなった」(教師)
❌ 【反対派の意見】
- 「雨の日に床がびしょびしょになり、不衛生になった」(保護者)
- 「床が汚れるので、掃除の時間が増えた」(生徒)
- 「体育館の床が傷みやすくなり、メンテナンス費用がかさむ」(学校関係者)
上履き廃止は、環境や運用方法次第で成否が分かれます。賛成意見も多いが、清掃や安全対策をどうするかが課題 と言えます。
まとめ
上履き廃止には 「足の健康に良い」「衛生面の向上」「経済的負担の軽減」 などのメリットがある一方で、「床が汚れやすい」「滑りやすくなる」「履き替え文化の喪失」 などのデメリットも指摘されています。
実際に廃止を試みた学校では、成功例と失敗例が分かれ、環境や運用方法が成否を分ける重要なポイント となっています。
現在、一部の自治体や専門家が上履き制度の見直しを進めており、今後は 「上履きのない学校」が新たな選択肢として注目される可能性も。
全員が納得する運用方法は中々見つからないと思いますが、子供の希望だけで判断するのではなく大人が正しく導いていける形が取られると良いですね。何気に昨今は教職員の働き方も問題になっていますし、ある程度ルール化した方が良いのだろうなと個人的には思います。